ひつじの説明書。

ーヘルス・本・イギリスのいろいろを発信ー

一時停止が心を救う


数年前、2カ月半入院することがありました。

それまでは平日は仕事、休日は買い物や掃除。

とにかく毎日時間に追われていて、自分が喜ぶことや、趣味などを考える暇もありませんでした。

毎日毎日、当たり前のように忙しく過ぎていく日々。

当時は何かしていないと不安だったのだとおもいます。

 

2カ月半の突然の停止。

休暇とかではなく、ただ休むことに専念する時間。

ただただわたしは何をしたらいいのか、わかりませんでした。

看護師だったので、働いている看護師さんに何か手伝えることはありますか?と聞いたほど、今考えると、変な風に見られただろうなぁとおもいます。

でもこの期間で、一時停止する大切さがわかった気がします。

よく自分のカラダを観察してみると、心臓の音や呼吸、行動すべてがいつも緊張していて、走っていたのです。

ずっと走り続けていたものだから、カラダも疲弊してしまったのだとおもいます。

車と一緒で全速力で走っていると、止まれない。

ちゃんと日頃から止まる練習をしておくことで、カラダのメンテナンスができるのだと感じました。

 

イギリスに来てから仕事はフリーランスに変えて、自分でタイムマネジメントするようになりました。

やっぱり働き始めると、働きづめにしてしまいます。

一度入院のときにゆっくりとした時間を取り戻したのに、また歯車が早く回り始めたといった感じ。

何度も同じ失敗をしたくないとおもい、深呼吸や瞑想を取り入れることにしました。

最初は、とにかく居心地がわるい。

この時間の間にも働けるのになんて、瞑想中に考えたほど。

根っからの仕事好きなんだなと気づいた瞬間でした。

でもめげずに続けていたら、心に余裕ができるようになりました。

 

深呼吸や瞑想をやり始めたときは、とにかく今日の晩御飯何にしようとか、今日の仕事はこういう予定でとか、余計なことを考えていました。

でも、徐々にその湧いてくる思考を受け流せるようになってきて、頭の中が思考で支配されることがなくなりました。

 

これをやれば心が落ち着く、これをやればリセットできる、といった軸のような、なにかゆるがない安心感のあるツールとなっています。

 

深呼吸や瞑想でなくても、散歩やお茶の時間とかでもいいとおもうんです。

何かに想いを馳せるのではなく、今に集中する時間。

1日24時間のうちのたった数分、たった数秒。

こういった時間が心にゆとりをもたせます。

 

仕事を何時間も続けるよりも、この時間を優先的に取り入れることで、より生産性のある仕事や生活ができるようになりました。

また人に対しても寛容になり、話し始める前に一呼吸おいて感情的な話をしなくなりました。

 

こんな簡単なことなのに、意外と見落とされている習慣。

心がいっぱいいっぱいな方は、意識して取り入れてみてください^^